「たんぱく質」ってよく聞くけれど…
「たんぱく質を摂るように心がけましょう」「高たんぱく低カロリーが特徴です」というような文言をよく耳にしませんか?大豆にも「たんぱく質」が多く含まれることから積極的に食べているという人が多いと思います。では、なぜ「たんぱく質」は注目を集めているのでしょうか?今回、改めてこの「たんぱく質」に着目してみようと思います。
私たち、ヒトの体内は、体重60kgの成人の体組成の例にした場合、水分が62.6%、タンパク質が16.4%、脂質が15.3%、ミネラルが5.7%、糖質1%未満で構成されています。水分の次に割合を占めるたんぱく質は、体を構成する筋肉、臓器、皮膚、骨、頭髪などの主要成分であり、体の機能を調整するホルモン、酵素、抗体などの材料でもあります。また、タンパク質は、炭水化物や脂質とともに「エネルギー産生栄養素」の一つであり、体をつくる上ではかかせない栄養素の一つなのです。
そんな私たちの体にとって欠かせないたんぱく質は、体内で自動的につくられていくわけではありません。では、どのようにしてたんぱく質は体内でつくられているのでしょうか。
たんぱく質は、20種類のアミノ酸から構成されています。20種類のうち、1つでも欠けてしまったらたんぱく質は十分に体内で合成できません。
この20種類のアミノ酸のうち、11種類は、体内で糖質や脂質から合成できるのですが、残りの9種類は体内では合成できないため、食品から摂取する必要があります。この9種類のアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といいます。
この9種類の必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)は、どのような食品に含まれているのでしょうか?その際、指標となるのが「アミノ酸スコア」です。食品中のたんぱく質の品質を評価するためのスコアになります。
たんぱく質と一言でいっても、食品に含まれるたんぱく質には全て同じ割合で必須アミノ酸が含まれているわけでなく、そのバランスが重要です。
木桶を想像していただきたいのですが、他は全て1mの高さがある木の板なのに、一枚だけ30cmの高さの板があったら、醤油は30cmのところまでしかたまりません。このことと同じように、必須アミノ酸の中でもどれかが極端に少ないと、その数値までのたんぱく質しか生成されません。以上のことから必須アミノ酸がバランスよく含まれているということがポイントであり、バランスよく含まれている食品はスコアが100になります。
肉や卵などの動物性たんぱく質は、スコアが100と高い傾向にありますが、一方で米やとうもろこしなど穀物に含まれる植物性たんぱく質はスコアが低い傾向にあります。ですが、その中でも大豆や豆腐・豆乳のたんぱく質はスコアが100なのです。
もちろん、スコアが低くても他の食品で補えば問題はありません。例えば、米にやや不足ぎみであるリジンは、豆類にたくさん含まれており、一方で豆類に少ないメチオニンは米にたくさん含まれています。ですので、ごはんに豆腐のお味噌汁や納豆は、良質なたんぱく質を得ることができる組み合わせの食事といえます。
もちろん、動物性たんぱく質には、植物性に比べ筋肉づくりに有効なアミノ酸を多く含んでいたりと、それぞれにメリットがありますので、動物性・植物性両方のたんぱく質をバランスよく摂取することが理想的です。
例えば、ダイエットをするとき、まず最初に食事制限を考えると思います。お肉や乳製品を減らすとなると、極端にたんぱく質の摂取量も減ってしまいます。そこで、動物性たんぱく質と同等の良質なたんぱく質を含む大豆製品を摂る事でダイエット中の栄養不足を防ぐことができます。
以上のことから、大豆とたんぱく質の関係、つまり大豆に含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質であることがわかっていただけたかと思います。
毎日の食生活にこれからも大豆製品を取り入れたバランスのよい食事を心がけましょう。
毎日手軽にたんぱく質をとるなら、豆乳がおすすめ
豆乳を飲むといいこといろいろ!
- アミノ酸スコア100の良質なたんぱく質を摂取できる。
- 大豆たんぱく質は体内で吸収・分解されるのに時間がかかるため腹持ちがよい。
- 大豆に含まれるイソフラボンやサポニン、ビタミンEで女性に嬉しい効果が期待できる。
- 牛乳よりカロリー控えめなので置き換えにおすすめ。また「豆乳で元気」は、常温保存かつ賞味が牛乳より長いので便利。
Soymilk News 日本豆乳協会
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