なまこ壁

アップルファームさみずさんへ訪問しました。

先日、アップルファームさみずさんの農場へ初めて訪問しました。

ヤマキ醸造から高速で2時間半。インターを降りてしばらく運転していると、ちらほらとりんごの木が見えてきました。木の枝に垂れ下がるように実っているりんごを見るのは、埼玉県民にとっては新鮮で少し衝撃的な景色でした。
農林地帯の中に、アップルファームさみずの事務所と農園があり、道路を挟むかたちで代表の山下さんが運営する山下フルーツ農園があります。最初に山下フルーツ農園へお邪魔しました。少し丘を上ると、その先に一気にりんご畑が広がりました。それぞれ色や大きさの違うりんごの木がたくさんあって、初めての光景で胸が踊りました。

山下フルーツ農園

視界が全てりんごの木!

果樹の中でも難しいりんご栽培

りんごは果樹の中でも栽培が難しいようです。バラ科で病害虫に弱く、有機で栽培するのは日本では本当に難しいとのことです。
また、冬の間にする選定がりんご栽培の8割を決めるといってもよいほど重要な作業であり、これはマニュアル化できるものではなく、経験と勘でしかやりようのない難しい作業のようです。りんごの木には、結実しながらもその枝先には来年の花の準備が進んでいます。今季のりんごを育てながら、来年の花のことを考えて育てなければなりません。来年の花が適量咲くように、収穫量も調整する必要があり、そこまで考えて選定をしなければならないそうです。山下さんの話を聞きながら想像しただけで、いや想像できないくらいとても難しく思えました。

りんごの枝先のつぼみ

枝先にはつぼみができていました。

とはいえ、長野の中でも三水地域は一定の標高があるため、気温差があるこの土地の気候風土はりんごの栽培に適しているそうです。
さみずさんのりんごは、「特別栽培」です。慣行栽培に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下が特別栽培ですが、さみずではさらに厳しい基準で栽培しています。

温暖化の影響

近年、温暖化の影響を受けるようになったと山下さんは言います。りんごの木は落葉樹なので冬には落葉し休眠に入ります。休眠から覚めるためには一定の寒さにあたる必要があるのですが、暖冬のため早くに目が覚めてしまうそうです。りんごの開花はGW過ぎだったのが、近年は4月に開花する程早くなっているとのことです。その時期に開花すると、遅霜にあたる可能性があるため、花がだめになってしまい、収量が落ちてしまうんだそうです。
また、夏の高温はりんごが日焼けし色付けにも影響がでてくるようです。
今後はりんご栽培も温暖化に対応していかなければならないようです。

常にチャレンジする姿

最後に新しい栽培方法を試している農場を案内していただきました。
先程とは違い、縦長のスタイリッシュなりんごの木が並んでいました。そこには爽やかな風が抜け、日の光を浴びたりんごが輝いていました。作業効率を上げるだけでなくりんごの生育にもより良い環境を考慮されたこの圃場から常に、安心・安全なりんごづくりのために積極的にチャレンジしていることが伝わってきました。
道路を挟んで山下フルーツ農園が運営するカフェの庭にある小屋に2匹のやぎが。
農場に生えている草を食べてくれたら…とのことでヤギを放牧していたようなのですが、りんごの葉っぱを食べてしまうとのことで、放牧はやめ、ペットとして飼うことにしたそうです。
本当に様々なことに挑戦しているんだなぁと感じました。

山下さんからりんごについてのお話を伺い、目から鱗のことばかりでした。
印象に残っているのは「蜜が入っているから糖度が高いとは限らない。」ということ。りんごの美味しさの基準は糖度、香り、食感で決まるそうですが、酸味も大事で、酸味がないと味にコクがでないそうです。言われてみれば確かにそうかも…。
日本では蜜入りが人気ですが、貯蔵に向かない(蜜が飛んでしまう)ため、ヨーロッパでは加工用に使われたりするそうです。
山下さんによると、長野県産のりんごは、完熟で収穫するため年内までが食べ頃とのこと。貯蔵するなら、冷蔵庫での保管がおすすめで、その際は乾燥を防ぐためラップか新聞紙でまいておくとよいとのことです。

フォトギャラリー


  • 道路の脇に自然とりんごが実っていることに驚き

  • 事務所入り口にある歴史を感じる看板

  • 山下フルーツ農園さんが運営している「カフェ傳之丞」。とても賑わっていました。

  • 庭に植えてあるりんごの木。原種に近い種類だそうです。

  • つやつやの赤いりんご

  • フラワーアレンジやりんご飴用にこんな小さいりんごも栽培されていました。

  • 山下さんが農園で様々な品種のりんごを試食させていただきました。もぎとってそのまま手で真っ二つに割る姿が印象的でした。

2種類のりんごをお取り寄せできます。

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